2022年1月に改正電子帳簿保存法が施行されました。
施行からもう少しで半年が過ぎようとしております。
昨年の12月、「電子保存義務化」の2年延期が発表され、猶予期間が設けられた分、油断してしまっている方も多いのではないでしょうか。
2年後の再延期は考えにくいため、この猶予期間にしっかりと対策を行うことが重要です。
今回は、電子帳簿保存法とは何か、改正によりまず行うべき3ステップをご紹介いたします。
目次
そもそも改正電子帳簿保存法とは?
電子帳簿保存法は、もともと1998年に施行された法令です。
改正前の法令では帳簿や書類は紙での保存が原則でした。しかし紙での保存は、コストや業務効率の面で多くの課題も多く、それを解決するために一定の要件を満たした帳簿書類などを電子データとして認めたのが「電子帳簿保存法」です。
3種類の保存区分
電子帳簿保存法の保存区分は、大きく以下の3種類あります。
①電子帳簿等保存
電子的に作成した帳簿書類をデータで保存
②スキャナ保存
紙で発行・受領した書類をスキャン文書で保存
③電子取引
電子的にで授受された取引情報をデータで保存
今回の改正で最大のポイントだったのが、③電子取引に該当する、「電子取引データの紙出力保存廃止」についてです。
今までは、請求書などをメールで受け取り、原本として紙で保存することが認められていましたが、今回の改正で保存要件が作成され、「紙保存が全面禁止となったはず」でした。
しかし、今年1月の施行直前に2年の猶予期間が設けられることが発表され、紙保存の廃止は義務化ではなくなりました。
ただ猶予期間が設けられたとはいえ、電子取引データを磁気的記録にする流れは避けられない状況です。
電子取引への対策ですが、以下の3ステップで対策を進めるのがおすすめです。
電子取引への対策
電子取引に備えた対策は以下の3ステップで進めるのがおすすめです。
- 専用フォルダを作成する
- 索引簿をつける
- 事務処理規定を作成する
それぞれについて詳しく解説していきます。
STEP1 専用フォルダの作成
まず、新しくPCやクラウドサーバー内に「電子取引専用のフォルダ」を作成してください。
請求書やメールなどが届く度に、作成した専用フォルダに格納するようにしましょう。
ここでの注意点は、届いたデータに連番を振ることです。
連番を振る必要性についてはSTEP2で詳しく説明します。
STEP2 索引簿をつける
今回の改正では、取引データの検索機能を確保する必要があります。
国税庁HPにExcelのサンプルデータがありますので、それを元に、連番・取引年日・取引金額・取引先名を記入しましょう。
STEP1で作成したフォルダに格納する際に、連番と対応させることで検索機能を確保することができます。
STEP3 事務処理規定の作成
電子取引において、改ざんや不正を防ぐために、データの訂正や削除の防止に関する規定を定める必要があります。こちらは真実性を担保するにもとても重要となってきます。
この規定についても、国税庁HPにサンプルがありますので、ダウンロードをしていただき、自社用に規定をカスタマイズしましょう。
国税庁による各種サンプルはこちら
後回しにせず、できることからDX化に取り組むのが吉
従来であれば帳簿書類の電子保存などは、ペーパーレスなどのデジタル化を推し進める企業が行うものとして認識されていました。
しかし、デジタル化を推進したい日本政府によって半ば強制的に対応しなければならない状況になってしまいました。
国が策定した以上、「時間を割けなくてできなかった…」では済まされません。
企業の未来のためにも出来ることからデジタル化を進めていきましょう。
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